「体感を言葉で具現化すること」で潜在能力は高まる【久瑠あさ美メンタルトレーニング】第9回#2講評
久瑠あさ美の「コロナ禍以後をいかに生きるか」Vol.9
コロナ禍が続く今、生活スタイルや、働き方、生き方までも変わろうとしています。何が起こっても不思議ではない予測不可能な時代(不確実性の時代)を、いま私たちはこれまでにない不安やストレスに満ちた毎日を送っています。だからこそ、「自分と向き合い、自分の在り方やこれからの生き方を見直すきっかけ」ととらえ直せるかどうかが大切だと、メンタルトレーナーの久瑠あさ美先生は語ります。
◉どうやって自分と向き合い、どうやって自信を取り戻すべきか?
◉どうしたら自分の中の潜在能力をもっと発揮することができるのか?
数多くの著名人たちから支持を受けているメンタルトレーナーの久瑠先生が、初めてYouTube動画と連動してお送りするメンタルトレーニングの実践現場。今回は公開メンタルトレーニングの実践現場を実況中継。久瑠式メンタルトレーニングのノウハウを余すことなく披露する!!(聞き手:弊社編集・鈴木康成、構成:甲斐荘秀生)
まずは、こちらの映像をご覧ください。
https://youtu.be/hCz8y46Zf8A
前回までは、トレーニング#1(出題編は本連載第5回)に対して、本連載編集の鈴木さん、ディレクターの甲斐荘さんがワークに取り組んだ結果を講評してきました。
このワークでは、仕事の中で
「過去、役立ててきたこと」
「現在、役に立てていること」
「未来、役に立つだろうこと」
を100個ずつ、ワークシートに記入していきます。
今回は、お二人のトレーニングの結果を元に「次のトレーニング」を提案していきます。
■言葉は人間に与えられた武器
久瑠:人間にとって「言葉」とはなんでしょうか?
私は言葉を「無意識と顕在意識の間にあるもの」だと捉えています。
言葉にして初めて、「あっ、こんなこと思ってたんだ」みたいにハッとする瞬間ってありませんか? その時、何が起こっているのか。喋ることによって違う回路が繋がっているんです。
私のパーソナルトレーニングでも同じことが起こります。
マインドの行き詰まりから抜けたとき、どうしてそこから抜けられたのか。ご本人は「理由はわからない。先生と話してたらそうなった」、「先生の部屋から出て数時間後に、急に身体がポカポカしてきて」といった感想を仰るのですが、こうしたリアクションは、実際、トレーニングでの言葉が無自覚な潜在意識に働いた証です。会話することで、「言葉にした」からこそ起こった変化なのです。
その時、確かなものは起こった事実や内側の体感です。
それらは潜在意識の業であって、「このような理路でこんなことが起こった」と細かく説明できる類のことではありませんが、それでも「言語化する」ことで説明することができる、表現することができるようになります。
つまり人間は唯一、言葉によって、顕在意識と潜在意識の境界ラインを超えられるんです。ですから私は、言葉こそが人間がもらった最高の武器だと思います。武器だからこそ人は言葉によって救われるし、言葉によって時に傷つける凶器にすらなりかねない。
イマジネーションの世界・感性の世界では「感じ合う」ことができますが、それはその場にいた本人だけに起こる、その時限りの現象です。
しかし「言葉にすること」、つまり一定のルール・法則を与えられることによって、その場にいない人も、後になってからでも、改めて起こったことを解釈できるのです。
モーツァルトにしても、その溢れる感性を楽譜の形にしてくれたからこそ、私たちは彼の遺産を継承できているわけですよね。
古事記のような古典も、千年、二千年と時代を超えて私たちに何かを伝えてきました。言葉とは、それくらい強烈なものなんです。
そういった武器を継承した私たち人間が、それを人生にどう活用していけるのかはまた別の話です。
テクノロジー、サイエンスがいくら発展しても、人間のマインドが、強いては人生が置いてけぼりになってる‥‥それが今の時代なのだと感じています。
時代の変化に追いついていくために、やはり感性を鍛えて、“いま”見えている世界と、まだ見えていない潜在的な世界にあるものを、点と点でどのように結びつけていくのかを学んでいくこと。その術を一人一人が自ら体得していくこと。そこが非常に重要であり、私がトレーニングの第一の目的としている所以でもあります。
《まとめ①》
◉無意識と顕在意識の間にあるものが「言葉」。感性を鍛えるトレーニングでその「言葉」を活用できる自分になる。